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水晶体上皮細胞内でのグルタチオンレドックス回路によるデヒドロアスコルビン酸の還元

研究課題

研究課題/領域番号 07771562
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 眼科学
研究機関自治医科大学

研究代表者

佐々木 洋  自治医科大学, 医学部, 助手 (60260840)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードデヒドロアスコルビン酸 / GSH / グルタチオンレドックス回路 / 水晶体上皮細胞
研究概要

イヌ水晶体上皮細胞をグルコースを含まない(Glu(-))培養液で30分〜3時間、1mMのDHAと共に培養した場合(以下-Glu+DHA)、細胞内のGSHは60〜100%酸化され走査型電子顕微鏡にて著しい形態変化を認めた。グルコースを含む(Glu(+))培養液で同様の実験を行った場合(以下+Glu+DHA)、GSHの酸化はほとんどなく形態変化もみられなかった。グルタチオンレダクターゼ阻害剤である0.3mMのBCNUで30分pre-cultureした後、Glu(+)の培養液で1mMのDHAとともに培養した場合(以下+BCNU+Glu+DHA)、細胞内のGSHは55〜100%酸化され著しい形態変化を認めた。Glu(-)の培養液でDHAの濃度を変えて30分培養した場合、細胞内のGSHはDHAの濃度依存性に低下し、GSSGは増加した。0.5〜3mMのDHAとともに30分培養した場合、ペントースリン酸回路の活性は6〜11倍の上昇を認めた。(+BCNU+Glu+DHA)の条件では活性の上昇はなかった。ウサギ培養水晶体を(-Glu+DHA)で1〜3時間培養した場合、水晶体上皮細胞内のGSSGは22〜59%増加し、赤道部および前嚢下に混濁を生じた。(+Glu+DHA)では、GSHの酸化はほとんどなく水晶体の混濁もごく軽度であった。(+BCNU+Glu+DHA)の条件で培養した場合、細胞内のGSSGは47〜89%増加し水晶体赤道部および前嚢下に混濁を認めた。0.5〜3mMのDHAとともに30分培養した場合、ペントースリン酸回路の活性は6〜11倍の上昇を認めた。(+BCNU+Glu+DHA)の条件では活性の上昇はなかった。イヌ水晶体上皮細胞および培養ウサギ水晶体中には、デヒドロアスコルビン酸レダクターゼの酵素活性認めなかった。
グルタチオンレドックス回路が正常に機能しない条件で、水晶体や水晶体上皮細胞をDHAに暴露した場合、上皮細胞中のGSHは減少しGSSGは増加し水晶体の混濁および著しい細胞の形態変化を生じた。水晶体上皮細胞内でのDHAの還元は、グルタチオンレドックス回路により酵素を介さずに行われることが明かになった。DHAは酸化障害を生じるため、水晶体上皮細胞内での還元機構はきわめて重要である。DHAの蓄積による水晶体の混濁を起こさないために、グルタチオンレドックス回路の活性を正常に維持することがきわめて重要であると考えられた。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hiroshi Sasaki: "A Protective Role for Glutathione-Dependent Reduction of Dehydroascorbic Acid in Lens Epithelium" Investigative Ophthalmology & Visual Science. 36. 1804-1817 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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