研究課題/領域番号 |
07771626
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
阿部 守明 奥羽大学, 歯学部, 助手 (70222669)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 骨吸収 / 歯根膜の発生 / 歯の萌出 / bisphosphonate |
研究概要 |
B6C3Hマウスに骨吸収阻害剤bisphosphonate(BP)を投与し、周囲歯槽骨の改造現象が歯胚、とくに歯根および歯周組織の形成、引いては歯の萌出にどのように関わってくるかを検討した。生後4日の仔マウスに、実験群には1mg/kgのBPを、対照群には生食をそれぞれ腹腔内投与し、5日後、14日後、18日後に顎骨を採取し、下顎第一臼歯および切歯歯根部を組織学的ならびに組織化学的に観察した。 5日後:対照群では、歯冠の形態形成がほぼ完成し、Hertwig上皮鞘の伸展とそれに伴う歯根および歯根膜の形成が開始されていた。実験群でも、歯冠の形態形成は完了していたが、歯頸部において、周囲の骨が増生し上皮鞘に直接接しこれを圧迫変形していた。歯槽骨では、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAP)陽性破骨細胞がより多数出現するものの骨梁は全体に太かった。 14日後:対照群では歯根がほぼ本来の長さに達しており、歯冠は口腔内に出現していた。歯槽骨は層板骨へと変化し、骨髄では造血組織が形成されていた。実験群では、歯冠は顎骨内にとどまっており、天蓋部の骨は吸収されず残存していた。歯根の伸展はみられず、わずかに形成された歯根象牙質は著しく変形し、増生してきた骨と癒着していた。切歯歯根においても同様に骨の侵襲によって象牙芽細胞層、象牙質、エナメル芽細胞層の変形が著しく、いわゆる歯牙腫様を呈していた。歯槽骨では多数のTRAP陽性破骨細胞が出現するものの骨の改造が起きず線維骨のままであった。歯牙硬組織および骨の基質の組成に差はみられなかった。 18日後:14日後同様実験群では歯は依然埋伏したまであった。 以上の一連の所見から歯根および歯根膜の成長と歯の萌出の関連が示唆された。
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