研究課題/領域番号 |
07771659
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
河本 健 広島大学, 歯学部, 助手 (50224861)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 軟骨 / 軟骨細胞 / アルカリホスファターゼ / 遺伝子発現 |
研究概要 |
ウサギの肋軟骨初代培養細胞系に最も適したDNA導入法を確立するために、pSV2CATを軟骨細胞にトランスフェクションしてCATアッセイを行って検討した。播種後1週間目と2週間目の軟骨初代培養細胞に、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、リポフェクチン法でトランスフェクションを行って比較したところ、トランスフェクションの効率は、DEAEデキストラン法、リポフェクチン法、リン酸カルシウム法の順に高かった。 次に、ラットのアルカリホスファターゼ遺伝子プロモータをCAT遺伝子の上流に繁いだものを、pSV2CATでトランスフェクション効率が高かったDEAEデキストラン法とリポフェクチン法によって軟骨細胞にトランスフェクションした。しかし、pSV2CATとは異なり、アルカリホスファターゼ遺伝子ではきわめて低いプロモータ活性しか認められなかった。ちょうどこの頃、アルカリホスファターゼ遺伝子の発現調節に関する論文がJBCに発表され、この遺伝子の発現調節は転写レベルではほとんどなく、主に翻訳レベルで行われることが示された。このことから軟骨特異的な転写調節の研究を、アルカリホスファターゼ遺伝子をモデルとして行うことは不適当であり、新たなターゲットの開拓が必要であると考えられた。 最近、われわれは軟骨の分化に伴って特異的に発現する76kDaの膜タンパク質の精製に成功した。そこで、この76kDaタンパク質を研究の新たなターゲットとし、その第一歩として76kDaタンパク質のcDANクローニングを試みた。RT-PCR法などを用いてクロニングを行った結果、ほぼ全長をカバーするcDNAクローンを得ることに成功し、その全塩基配列を決定した。データベース検索から、この76kDaタンパク質は、ヒトのメラノーマ細胞で発現しているメラノトランスフェリンと非常によく似た構造を持つことが判明した。ウサギの各臓器のRT-PCRを行ったところ、76kDaタンパク質のmRNAは軟骨組織で特異的に発現していることが明らかになった。そこで、このタンパク質をコンドロトランスフェリンと命名し、現在、ゲノム遺伝子のクローニングに着手していることろである。
|