研究概要 |
Chambersらの方法に準じ、生後1日齢のWistar系ラットから摘出した左右脛骨、大腿骨を細切し、遊走してきた細胞をプラスチックのカバースリップ上に付着させ接着性の差により破骨細胞を単離した。破骨細胞が付着したカバースリップを24穴のディッシュに移し、37℃で15%FCSを含むIB培地にて0から2時間750pMのrhCSF-1(カイロン社より供与)の存在下で培養した。培養終了後,急冷し細胞膜を不動化し、pH4の酢酸緩衝液による洗浄でレセプターを露出させた。[I^<125>]rhCSF-1の特異的結合を見るために実験群では、15%FCSを含むIB培地、非特異的結合群では、代わりに2.0nMCSF-1を添加した同じ培地で0℃で1時間プレインキュベーションを行った。次に実験群には、最終濃度が、0.6nMの[I^<125>]rhCSF-1を非特異的結合群には、2.6nMの[I^<125>]rhCSF-1を添加し、0℃で20時間インキュベートした。通法により、オートラジオグラフィーを行い銀粒子の単位面積辺りの黒化度を画像解析した。破骨細胞のCSF-1レセプターは、CSF-1と結合後、速やかにDownmodulateされ膜表面より消失した。10分以内にほぼ90%が、1時間で完全に消失した。一旦Downmodulation後のCSF-1受容体の回復には,約2〜4時間必要であり、サイックロヘキシミドを加えた群では、この回復は完全に阻害された。この事より、受容体の回復には新規の蛋白合成が必要であった.以上によりCSF-1は破骨細胞の膜上にある受容体と結合し,受容体数を減少させることにより調節・制御するメカニズムがある可能性が示唆された.
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