• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

Ca^<2+>-非依存性ホスホリパーゼA_2活性調節因子としてのATPの意義

研究課題

研究課題/領域番号 07771682
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 機能系基礎歯科学
研究機関朝日大学

研究代表者

神谷 真子  朝日大学, 歯学部, 助手 (80181907)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードホスホリパーゼA_2 / 分泌顆粒 / ATP / 膜融合
研究概要

本研究は、耳下腺分泌顆粒(SG)のCa^<2+>-非依存性ホスホリパーゼA_2(SG-PLA_2)活性制御機構について、活性上昇効果を認めたATPの作用機序を中心に検討したものである(Mizuno-Kamiya et al., Biochim. Biophys. Acta,投稿中)。PLA_2活性の制御機構としては、近年多くの細胞でGTP-結合タンパク質(G-タンパク質)の関与が提唱されている。しかし本実験系では、(1)ATPに比較してGTPのSG-PLA_2に対する活性上昇効果が低いこと、(2)G-タンパク質の機能発現に必須であるMg^<2+>を反応系から取り除いても、ATPの効果が低下しないことから、ATPがGTPアナログとして機能している可能性はほぼ除外できた。またプロテインキナーゼAの活性化因子であるcyclic AMPや、プロテインキナーゼCおよびカルモジュリンキナーゼ系の活性発現に必須であるCa^<2+>の添加は、ATPの活性上昇効果を増強せず、非選択的かつ強力なプロテインキナーゼ阻害剤のK-252aも、ATPの効果を全く阻害しなかった。従って、ATPがプロテインキナーゼ類の基質として作用している可能性も少ない。一方、SG膜から可溶化したSG-PLA_2に対しても、ATPは可溶化前と同程度の活性上昇効果を示した。以上の結果を総合すると、ATPのSG-PLA_2に対する活性上昇作用は、ATPを基質あるいは補欠分子とする一連の酵素系を介するものではなく、直接酵素タンパク質に作用している可能性が示唆された。
本酵素の生理的意義としては、その代謝産物である遊離脂肪酸が、in vitroで膜融合調節作用を示すことから、開口分泌との関連性が注目される(Mizuno-Kamiya et al., 1995, J. Biochem., 118, 693-699)。今後、分泌刺激時の細胞内ATP濃度と本酵素活性の変動を追跡することで、ATPによるSG-PLA_2の活性化の意義がさらに明確になるものと思われる。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Masako Mizuno-Kamiya: "The significance of membrane lipids in exocytosis: control of liposome-evoked, amylase release from secretory granules isolated from the rat parotid gland" Journal of Biochemistry. 118. 693-699 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Koji Yashiro: "Substrate specificity of microsomal 1-acyl-sn-glycero-3-phospho-inositol acyltransferase in rat submandibular gland for polyun-saturated long-chain acyl-CoAs" Biochimica et Biophysica Acta. 1258. 288-296 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Sun-Ok Shin: "Acyl-CoA synthetase activity in rat salivary gland microsomes" Japanese Journal of Oral Biology. 38. 139-144 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] Koji Yashiro: "Microsomal diacylglycerol acyltransferase in rat parotid and submandibular glands: Acylation of 1, 2-dioleoyl-sn-glycerol dispersed with phospholipids" The International Journal of Biochemistry and Cell Biology. (in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi