平成7年度は前年度に引き続き、外科的矯正手術に伴う構音の変化を検討するため、骨格性不正咬合患者(下顎前突、上顎前突を含む)について資料採取を行った。平成6年度より引き続いて資料採取を行い、術後1年を経過したものは15名を越え、その内の10名については昨年7月に行われた国際口腔顎顔面外科学会(ブタペスト、ハンガリー)において報告した。さらに5名の患者データについて1対比較法を応用した聴覚心理実験を言語治療士6名に対して行い、術前術後の心理評価量の変化を検討した。この結果の1部は現在印刷中である"Folia Phoniatrica"の論文中に記述した。 さらに今年度は北陸先端技術大学院大学の赤木正人助教授の協力を仰ぎ、音声分析システム全体のバ-ジョンアップを行い、より安定した資料の取り込みと、より詳細な分析が可能となった。 なお、今年度の研究計画の1つとして挙げていた声道モデルを用いたシュミレーション実験については、現在MRIのデータを流用して有限要素法を用いて検討中である。
|