研究課題/領域番号 |
07771782
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
伊佐津 克彦 昭和大学, 歯学部, 助手 (20266167)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 歯周炎 / MMPs / TIMP / MMP-3 / LPS / IL-1β |
研究概要 |
歯周炎における組織破壊にはコラゲナーゼをはじめとするmatrix metalloproteinases (MMPs)とその特異的インヒビターであるtissue inhibitor of metalloproteinases (TIMPs)が複雑に関与していると考えられる。我々は以前、臨床的に健康な歯周組織を有する健常者と比較して、歯周炎罹患者の歯肉溝滲出液中のMMP-3量が有意に高いことを見い出した。そこで今回、歯周炎の発症・進行におけるMMP-3の役割を明確にすることを目的として以下の実験を行った。 培養細胞は、矯正学的理由により抜去した歯の歯根膜および辺縁歯肉から、各々outgrowth法により歯根膜線維芽細胞および歯肉線維芽細胞を樹立し、4〜8代継代したものを使用した。各々の細胞を単独に培養し、confluent後に、IL-1βあるいは歯周病原性菌であるPorphyromonas gingivalis ♯381由来のLPSの刺激、未刺激の条件下でさらに、12、24、48、72時間培養した後、培養上清中のMMP-3をEIA法により測定した。歯根膜線維芽細胞および歯肉線維芽細胞共に、IL-1βあるいはLPS刺激で、時間依存的、濃度依存的にMMP-3産生の上昇がみとめられた。また、その産生量は、歯根膜線維芽細胞に比較して歯肉線維芽細胞で有意に高い値を示した。さらに、両細胞共に、IL-1βあるいはLPSで誘導されるMMP-3産生は、Indomethacinの添加により抑制された。以上の結果から、主要な歯周組織構成細胞である歯肉および歯根膜線維芽細胞はIL-1βや歯周病理性菌由来LPS刺激によりMMP-3を産生分泌し、基質破壊に関与している可能性が示された。また、この産生誘導は、内因性のプロスタグランディンにより促進的に制御されていることも明らかとなった。
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