1 計測装置の開発 (1)口腔外標点:計測対象の義歯と計測原点の残存歯とに貼付する3次元要素を持つ標点を開発した。これにより、個々の患者の口腔内状態に依らず、標点を設置することが可能となった。 (2)ステレオ撮影用ビデオカメラの頭部固定装置:異なる患者で常に口腔外標点とカメラとの位置関係が同一となるように装置を設定できるように、フェイスボ-トランスファーの原理を応用して固定装置を開発した。これにより、初診の患者でもその場で計測装置の装着が可能となった。 (3)照明装置:ハロゲンランプと光ファイバーを用いて、ビデオカメラに直接とりつけられる光源を開発した。これにより、照明条件が規格化され、同一の条件での撮影が可能となった。 (4)画像解析システム:得られた画像を処理して計測するハードウエア、及びソフトウエアのシステムを構築した。すなわち、画面4分割ユニットを介して、S-VHF規格のビデオデッキに2台のビデオカメラの画像を同時入力した。ソフトウエア制御により、画像を1フレーム毎に画像処理装置に入力する。画像処理装置では、標点画像の重心座標を算出させる。この重心座標の経時的変化から測定対象の3次元挙動をソフトウエアにより算出する。 2 装置の較正:本報告書提出時現在、各カメラの2次元変位の較正と、これから算出される3次元挙動と実際の3次元変位との較正を行っている。 本研究の概要は、平成8年度日本補綴歯科学会で発表の予定である。
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