従来より全部床義歯内にテレメータシステムを設置し、咬合接触、咬合力、pHなどの計測を行ってきた。これらに用いた周波数はFMのものが66MHz、AMのものが12MHzで、この周波数はデータの転送レートや口腔内よりの透過能率を考慮して決定した物でなく、単に部品構成上最も都合の良い物を用いたにすぎなかった。 そこで、口腔の電波透過特性を測定するため、上下顎無歯顎の被験者数名により全部床義歯をターミナルとして1MHz-150MHzの周波数特性を観察した。その結果以下の結論を得た。 (1)周波数の低い物ほど透過能率が高い傾向がある。 (2)被験者に固有の共振周波数が存在し、その周囲では透過能率が極めて高くなる。 (3)共振周波数は義歯に設置したア-ス、アンテナの位置関係によっても変化する。
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