研究概要 |
本研究では,試作した圧力センサーを頭蓋模型の顎関節部に貼付し,キャリブレーションを行い,併せて咬頭嵌合位での関節に加わる圧力を測定し,以下の結果を得た. 1)センサーの伸縮性について 幅1mmの銅製の電極を顎関節部に貼付することを試みたが,顎関節の形態が複雑で,適応が難しかった。そのため、コイル状ワイヤーを電極として使用することによって伸縮性及び曲面への適合性が向上した. 2)ヒステリシスについて 電極間の介在物質として弾性材を用いているため,弾性材のもつクリープによってヒステリシスが生じるため,加圧曲線と除圧曲線に違いが認められた.しかし,それぞれの再現性は良好なことから、各曲線に対して補正式を立てることによって圧力値が換算することが可能であった. 3)顎関節部の圧力分布について 24点の計測点で顎関節部の圧力を測定した結果,下顎頭前壁で高い圧力値が認められ,主にこの部分で力を負担しているものと考えられた.また,部位によって圧分布が異なっていた. 以上のことから,この微少静電容量型圧力センサーは曲面でも圧力分布を多点で定量的に,かつ,高精度で測定することが可能と判定した. 現在、下顎に色々な方向に力を加え、顎関節部の圧力分布を測定中である.
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