研究概要 |
1.咬合力測定装置の開発 小型圧力センサを左右第1小臼歯部,第1臼歯部の計4カ所に組み入れた上顎型デンタルアプライアンスを製作した.各センサからの出力はセンサインタフェースボード(PCD-100A,共和電業社製)により検出し,コンピュータ(PC-9801RA,NEC)に記録した.咬合力の解析は既製ソフト(Card Scope Ver.1.0,共和電業社製)により行った. 2.咀爵時咬合力の測定 グミゼリーを被験食品とし片側咀爵時の咬合力分布の測定を行った.咬合力は咀爵初期においては咀爵側大臼歯部を中心に発現し,その力は咀爵側大臼歯,小臼歯,非咀爵側小臼歯,大臼歯の順に大きかった.また咀爵の進行にともない,咬合力は平衡側にも認められるようになり,咀爵終期においては両側大臼歯部においてほぼ均等に発現することが明らかとなった. 3.今後の課題及び展望 圧力センサよりの出力はデンタルアプライアンス内でのセンサの位置及び受圧面における咬合接触の条件などにより,大きく影響を受けることが明らかとなり,咬合力の定量的な評価を行うには適切なキャリブレーション方法を開発する必要が認められた.また咬合力を長時間記録を行うためには,C言語を用いたプログラムを新たに作製する必要があり,現在開発中である. 今後これら課題を解決した上で,筋電図,顎運動との同時測定や,睡眠中の咬合力測定などを行い,さらに研究を進めている予定である.
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