研究課題/領域番号 |
07771926
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高山 治子 新潟大学, 歯学部, 助手 (10216799)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 三叉神経知覚傷害 / 低出力レーザー / 術後合併症 / 早期治療 / サーモグラフィー |
研究概要 |
口腔外科手術後にみられる三叉神経の知覚傷害の症状(知覚脱出、錯感覚)および回復にかかる期間が、術直後からの半導体レーザーの星状神経節部の照射により影響を受けるかを検討した。また、サーモグラフィー装置により皮膚温を測定し、知覚傷害の状態の客観的評価となりうるかを検討した。 対象は、下顎骨の外科的矯正術を受ける患者とした。患者に、研究の目的等を説明し、同意を得た上で行った。治療群・非治療群にわけ、治療群では、星状神経節部に半導体レーザーの照射を術後1日目から1日おきに10分間、術後約2週間まで行なった。 治療群、非治療群ともに術前、術後1〜3日目、術後2週間目、4週間目、6週間目、8週間目に知覚試験を行い、また、同時にサーモグラフィーにて顔面の温度を測定した。知覚試験としては、ナイロンフィラメントを用い、下口唇およびおとがい部皮膚の触覚、錯感覚の閾値を調べた。 治療群、非治療群とも5例であったが、各群1例ずつ知覚脱出がなかった。また、治療群で1例のみ錯感覚が認められなかった。術後約8週間の時点で、知覚脱出のある部位が残っていた症例は、両群とも1例であったが、いずれも軽度であった。また、錯感覚が8週間目まであった症例は、非治療群3例、治療群2例であった。知覚脱出、錯感覚ともに全くなくなった時点で治癒としたが、治療群・非治療群で知覚傷害の回復にかかる期間は明らかな差が認められなかった。 また、サーモグラフィー上の所見としては、星状神経節部に半導体レーザーの照射後、顔面の皮膚温が上昇する傾向が見られた。健康成人被験者で、レーザーを照射せず、同部の圧迫だけを行っても、同様の所見がみられた。皮膚温の上昇は、頚部の圧迫による影響が大きいと考えられる。皮膚温と知覚脱出、錯感覚の部位との関連は、明らかでなく、皮膚温は術直後の知覚傷害の客観的評価にはなり得ないと考えられた。
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