研究課題/領域番号 |
07771927
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
永田 昌毅 新潟大学, 歯学部, 助手 (10242439)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 顎顔面 / 奇形誘発 / exo utero / マウス / 生体染色 / 口唇 / 口蓋 |
研究概要 |
顔面口腔の発生段階において、各顔面突起間の癒合が順次進行する過程を明らかにするために、胎仔顔面口腔上皮に生体染色を施し後の形態形成を観察した。 (1)実験動物と羊膜腔内への生体染色素の注入:妊娠母獣(C57BL/6J)をハロタン麻酔下に開腹し、胎仔膜(胎齢10から12日)を露出した。明視下にて胎仔顔面周囲に生体染色素(DiI)溶液を注入した。注入にはマイクロインジェクション装置(ナリシゲIM‐30)の先端にとりつけた微小ガラスピペットを用いた。 (2)胎仔形態観察:顔面口腔の基本的な形態形成が完了する胎齢16日目に、母獣をエーテル麻酔下に、無痛的に胎仔を摘出した。凍結切片を作成し、蛍光顕微鏡装置(オリンパスBH‐2‐UCD3‐3)で、生体染色素の顔面口腔領域における局在を観察した。 (3)結果と考察:胎仔体表の上皮全般に生体染色素(DiI)の分布による蛍光が観察された。今回の観察対象の口腔、鼻腔上皮にも蛍光が認められた。特に両側口蓋突起間の癒合部では、いわゆるepithelial seamに強い蛍光が観察された他、癒合後の間葉組織内にも蛍光を放つ小領域が散見された。これは口蓋突起内縁上皮細胞あるいはその断片の残遺の可能性を示している。今回の実験は口唇及び一次口蓋完成以前に生体染色を施している。しかし、これらの間葉組織内では二次口蓋でみられたような上皮細胞に由来する染色素の残遺物は確認できなかった。胎生10日では口唇、一次口蓋部の顔面突起間の間葉組織間の癒合が一部において既に形成されていると考えられるが、口唇及び一次口蓋部の突起癒合現象が二次口蓋の形成過程(口蓋突起内縁上皮同志の癒着、断裂、間葉の癒合)と異なる進行過程をたどることが示唆された。 本研究の結果、マウスの胎齢10日目では既に口唇と一次口蓋部の形成が途上にあり、より早い胎齢において生体染色操作を行う必要性が明らかとなった。
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