研究概要 |
【方法】1)in vivo転移実験系:ヌードマウス移植実験を当科で樹立したヒト舌扁平上皮癌由来の癌細胞株MOK-101,ヒト歯肉扁平上皮癌由来の癌細胞株MOK-201を用いて行った。各癌細胞を約1×10^6個/mlのHank's BSS浮遊液に調整し,ヌードマウス(BALB/c nu/nu,6週齢,雄)の背部皮下,左足(foot pad)の皮下,または舌の粘膜下に,それぞれ癌細胞浮遊液0.05ml,0.025ml,0.025mlを移植。移植14日後,28日後,42日後に移植部位における腫瘤形成の状態,および所属リンパ(膝窩リンパ節,そ径リンパ節,頸部リンパ節)への転移,遠隔臓器への転移を肉眼的かつ組織学的に検索する。 2)in vitro浸潤実験系:1)と同じ癌細胞を使用してコラーゲンゲル浸潤実験法により各細胞の浸潤能を検討した。 【実験経過および結果】1)MOK-101は背部皮下,舌粘膜下に移植14日後から腫瘤を形成した。足皮下には腫瘤形成を認めなかった。引き続き,経日的に観察を行っている。MOK-201についても,現在観察中である。 2)MOK-101は,コラーゲンゲル内に線維芽細胞(Swiss 3T3またはMRC-5)を混合することによってゲル表面からゲル内へ侵入した。MOK-201も同様の結果であった。 【今後の方針】観察途中のマウスについて経日的に検索を続け,その結果とコラーゲンゲル浸潤実験の結果との比較検討を行う。
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