研究概要 |
当科において、口唇裂,口蓋裂の診断により口唇形成術、口蓋形成術を施行した患者および家族のうち、積極的な協力の得られた、2家族8人について染色体検査を行った。それぞれの家族の検査対象は、患者の両親と患者の兄弟、姉妹とした。染色体検査の方法は、遺伝性の奇形の際に異常が認められる場合の多い、Cバンド、Gバンドについて行った。それぞれの家族の協力をえて、採血を行い、外部の協力機関に依頼し、リンパ球の培養を行った。さらにリンパ球の染色体について前述の染色を行い、落射蛍光装置(日本光学製EFD3)を装着した顕微鏡にて染色体の観察を行った。その結果、患者本人を含め、家族にもCバンド、Gバンドに染色体異常は認められなかった。このことは口唇裂、口蓋裂のような裂奇形単独の発現を異常は、染色体レベルでの検索は非常に困難であり、裂奇形の原因究明のためには、DNAレベルの検索が必要であることが示唆された。
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