結果 ハイドロキシアパタイトHAp、フルオロキシアパタイトFAp、三リン酸カルシウムTetraを焙焼して作製したパウダーを、出力30kW〜45kW、距離75mm〜130mm、アルゴン、ヘリウム、ネオンガスによりチタンロッドにプラズマ溶射した。各材料の引っ張り強さは、HAp600、FAp600、HAp900、FAp900、Tetra1450(数値は焙焼温度)の順に平均31、38、43、47、45(MPa)、硬度は130、225、210、385、360(HV0.25)だった。コーティング状態をX線分析した結果、高温度ほど結晶度が高いことが示唆された。HApとTetraは、溶射時にコーティング層の分解を認めたので溶射時パラメーターに影響され、FApは化学的に安定していたので影響はないものと思われた。In-vivoで組織学的に各セラミックは骨と接触していた。標本毎にコーティングの分解・結晶状態は異なり結晶層の厚みが大きい程機械的に安定していた。埋入時に対する6カ月後の層の厚さは、コンピューター分析によりTetra1450が63.6%、以下HAp600 AH72.7%、HAp600 AN70.0%、FAp600 AH62.5%、FAp600 AN87.5%、HAp900 AH77.8%、HAp900 AN77.8%、FAp900 AH88.9%、FAp900 AN92.9%と測定された。 考察 セラミックはプラズマスプレーによって効果的にコーティングされた。機械的に安定し、高純度のコーティングを得る為には高結晶のパウダー調製が重要である。In-vivoでは経過と共に層の厚みが漸減しておりCaイオンとPイオンが骨内へ放出しているものと思われた。コーティング材の分解程度がその種類と溶射時パラメーターによって変化することが示唆されたので、将来的にはより安定性の高いセラミックコーティングの条件を捜していきたい。
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