研究概要 |
ウ触象牙質からの耐酸性細菌の単離 歯垢からはpH4の寒天培地に成育する細菌を分離することはできなかったが、ウ触象牙質からはpH4の寒天培地に成育する細菌を単離することができた。同定の結果Streptococcusであることがわかったが、Bergeyのマニュアルのどの口腔レンサ球菌にも属さないことが判明した。 S.sanguis ATCC 35105の低pH感受性mutantの作成 S.sanguis ATCC 35105はplasmidにより形質転換可能な口腔レンサ球菌である。通常pH5.5の寒天培地に成育するが、Ethyl methansulfonate処理によって突然変異させ、pH5.5の寒天培地に成育しないmutantを得ることができた。 S.sanguis ATCC 35105を形質転換するplasmidの開発 3種類のLactococcus lactisより3種類のplasmidをAnderson & McKayの方法により抽出した。pGB301,pIL252,pIL253である。pIL253が最も回収率が良く、unique restriction siteも多いが、形質転換効率はpGB301が最も優れていることがわかった。 分離した耐酸性口腔レンサ球菌、S.mutans, S.sobrinus, S.sanguisからchromosomal DNAを抽出し、制限酵素で部分消化の条件を夫々に検討した。現在、完全消化および部分消化した1-5Kbのchromosomal DNAを3種類のplasmidにligationし、mutant S.sanguis ATCC 35105を電気穿孔法により形質転換し、耐酸性を回復させる(pH5.5ないしpH5.4の寒天培地に成育するようになる)遺伝子を検索中である。
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