研究概要 |
Porphyromonas gingivalis腺毛のマクロファージ系細胞に対する分化誘導機構を検索するために、ヒトマクロファージ系細胞であるU937細胞を用いて検討を行なった。その結果、腺毛単独にて分化を誘導することをFcロゼット形成能を光学顕微鏡下で、おのびCD11b発現をフローサイトメトリーにより確認した。また、この誘導機構を検索するために、いくつかのプロテインキナーゼ阻害剤を用いて検討を行なった。その結果、この分化誘導は、サイクリックヌクレオチド非依存性プロテインキナーゼ阻害剤であるH7により有意に抑制されたが、サイクリックヌクレオチド依存性プロテインキナーゼ阻害剤であるHA1004ではその抑制効果は認められなかった。また、腺毛による分化は、有力な分化誘導因子であるインターロイキン-1のオートクリンによるものではないことを確認した。このことより、Porphyromonas gingivalis腺毛はマクロファージ系細胞においてプロテインキナーゼを直接活性化し,その結果分析を誘導することを示唆し、腺毛が破骨細胞の形成に直接関与している可能性を示すものである。
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