研究課題/領域番号 |
07772097
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤井 周司 大阪大学, 薬学部, 助手 (60192457)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | フレデリカマイシンA / フェノール / 酸化反応 / キノン / ジヒドロキノン / ペリヒドロキシ多環式芳香環化合物 / プメラ-型転位反応 / ipso-置換反応 |
研究概要 |
フレデリカマイシンA(1)は、制癌活性が強く、変異原性が無く、また、合成化学的にも極めて興味深い化合物でその全合成が競って行われているが、絶対配置は未だ不明である。申請者らはこれまでに不斉全合成に有効な分子内[4+2]環化付加反応によって、1の各半分の構造(ABCD環及びDEF環構造)の優れた合成法を開発したが、B環フェノールのp-位への水酸基導入が問題点として残った。本研究では、この点の解決と1の不斉全合成を目指して、研究計画に基づき研究を行った。 1.フェノール類のp-位へスルフィニル基を導入し、次いでトリフルオロ酢酸無水物で処理すると、プメラ-型転位反応と脱硫酸反応が一挙に進行してキノン類を与えることを見出し、本法を種々の官能基が共存できる簡便で一般的な新規キノン合成法として確立した。一方、p-スルフィニルフェノールエーテル類からは、トリフルオロ酢酸無水物にスチレンを共存させる条件下にスルフィニル基がアシロキシ基に定量的にipso-置換し、一挙に保護されたジヒドロキノンを与える新反応を見出した。 2.1.のipso-置換反応をp-位にスルフィニル基を有するペリヒドロキシ多環式芳香環化合物に応用したところ、ペリヒドロキシ部分のシリレン保護が重要で、そのことにより本ipso-置換反応が高収率で進行してペリヒドロキシ-ジヒドロキノンを高収率で与えることが分かり、冒頭の問題点の解決策を見出した。現在、本法を用いて、まず1のABCD環部分を完成し、更に1の不斉全合成を達成すべく検討中である。 3.p-スルフィニルフェノール類のプメラ-型転位反応は、置換様式や反応条件によってキノン類の生成以外にも、o-またはm-位への求核的官能基導入反応が進行することが分かり、現在これらの反応の一般化を図っている。
|