研究課題/領域番号 |
07772124
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | (社)北里研究所 |
研究代表者 |
田畠 典子 社団法人北里研究所, 生物機能研究所, 研究員 (60260080)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ACAT / ピリピロペン / 生合成 / 阻害剤 / ニコチン酸 / メロテルペン |
研究概要 |
ピリピロペンAは天然物として最も強いACAT阻害活性を示すものの一つであり、薬剤開発のリ-ド化合物として現在積極的に研究が展開されている。その構造は天然物としては極めて稀なピリジノαピロン環を含み特にこの部分構造がどのようにして生合成されるかは興味深い問題である。そこでその生合成経路を明らかにする試みとしてピリピロペン生産株Aspergillus fumigatus FO-1289の生産培地に各種[^<13>C]標準前駆体[1-^<13>C]、[2-^<13>C]、[1,2-^<13>C_2]酢酸ナトリウム、[2-^<13>C]メバロノラクトンを加え標準ピリピロペンAを単離精製し^<13>CNMR解析を行なった。デカリン部分は、予想したようにメバロン酸経路よりファルネシルピロリン酸を経由して構築されることが明らかになった。一方α-ピロン部分には2分子の酢酸がインタクトに取り込まれているものの、ピリジン環の全炭素とα-ピロン環の6'位の炭素にはいずれの前駆体の取り込みも認められなかった。このユニットはニコチン酸の骨格に相当することから、[1-^<14>C]ニコチン酸を培養液中に添加したところ^<14>C標識ピリピロペンAが得られた。すなわち、ニコチン酸はカルボン酸部分が脱炭酸することなく、そのままこのユニットを構築していると推定された。そこでさらに^<14>C標識ピリピロペンA(84mCi/mol)をジョーンズ酸化反応によりオキソ体とした後ナトリウムメトキシドで処理することにより、非放射性の分解物と出発原料の放射比活性が保存された[^<14>C]ニコチン酸(84mCi/mol)を回収した。以上の結果からピリピロペンAの生合成は、ピリジノα-ピロン部分はニコチン酸をアシルプライマーとして2分子の酢酸が縮合して形成し、これがメバロン酸を経由して形成したセスキテルペンと結合しピリピロペンの共通基本骨格が形成され、最後にアセチル基が3箇所に導入され構築されたことが明らかとなった。
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