研究課題/領域番号 |
07772131
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋本 征也 京都大学, 医学研究科, 講師 (90228429)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 非線形動態 / フェニトイン / ゾニサミド / 母集団薬物速度論 / ベイジアン解析 / ミカエリス・メンテン型消失 / 肝代謝 |
研究概要 |
臨床的に得ることのできる限られたTDMデータから、患者固有の体内動態パラメータを推定し処方変更を行うためには、該当する患者集団における薬物動態の特性を示す母集団動態パラメータを事前に求める必要がある。しかし、ミカエリス・メンテン型消失を示す抗てんかん薬フェニトインについては、速度論的解析が極めて複雑であるため、未だ精密な母集団動態パラメータは得られていない。本研究では、ミカエリス・メンテン型消失を有する非線形薬物動態の解析法の確立、およびフェニトインの母集団動態パラメータの設定とそれに基づく個別投与設計法の構築について検討を行い以下の研究成果を得た。 1.ミカエリス・メンテン微分方程式の積分形であるK_m・log(C/C_<t=0>)+C-C_<t=0>+V_<max>/V・t=0が、薬物繰り返し投与時の血中濃度推移に対し、極めて精密な近似解析解を与えることを見い出し、非線形薬物動態を高速に解析する方法を確立した。 2.京大病院において加療中のてんかん患者からフェニトインのTDMデータを集積し、大型計算機を用いてフェニトインの母集団薬物動態パラメータ(V_<max>、K_m、V)を推定した。これら母集団薬物動態パラメータは、フェニトインの初期投与量を設定する上で有用な情報を与えると考えられた。また、薬物投与後に得られた血中濃度の解析に、母集団パラメータ(事前情報)に基づくベイジアン推計法を適用し、フェニトインの個別投与設計システムを構築した。さらに、本投与設計を用いることによって、数少ない血中濃度データからでも患者固有の動態パラメータの推定し、投与計画の精密化が可能であることを明らかにした。
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