研究課題/領域番号 |
07772190
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
佐藤 光利 東邦大学, 薬学部, 講師 (60231346)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 受容体 / 平滑筋 / 収縮機構 / 細胞内情報産生 / Ca^<2+>感受性 / プロテインキナーゼ / ミオシン軽鎖 / G-蛋白質 |
研究概要 |
受容体から収縮に至るまでの細胞内情報伝達経路の中で、特に平滑筋収縮におけるCa^<2+>感受性調節機構に関与する経路に着目して研究を行い以下に示す2つの知検が得られた。 1.血管平滑筋におけるα_1-アドレナリン受容体サブタイプ(α_<1A>およびα_<1B>)を介した収縮におけるCa^<2+>感受性増加機構に関する知検。 細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)と収縮張力との関係を測定することによりα_<1A>-受容体サブタイプを介した収縮におけるCa^<2+>感受性増加機構の存在を示した。そして、このCa^<2+>感受性増加機構は、プロテインキナーゼC活性薬によって強力に増強されプロテインキナーゼC阻害薬のH-7や非水解性GDPアナログのGDPβ-Sおよび低分子量G-蛋白質(rho蛋白質)をADPリボシル化することによって不活性化するClostridium botulinumの菌体外毒素であるC_3毒素5μg/ml処理により抑制された。しかし、α_<1A>-受容体サブタイプを介したプロテインキナーゼC活性の上昇はC_3毒素処理によって影響されなかった。また、α_<1A>-受容体サブタイプを介するミオシン軽鎖リン酸化量の増加はα_<1A>およびα_<1B>-両受容体刺激によるリン酸化量の増加の54.9%となった。以上の結果より、家兎胸部大動脈にはα_<1A>-およびα_<1B>-受容体サブタイプが存在し、α_<1A>-受容体サブタイプを介する経路はミオシン軽鎖のリン酸化に依存しない調節経路を活性化して収縮に対するCa^<2+>感受性増加を起こすこと、そして、このCa^<2+>感受性増加機構にはプロテインキナーゼC-低分子量G-蛋白質の経路が関与していることを明らかにした。 2.家兎瞳孔散大筋におけるエンドセリン(ET)受容体サブタイプを介した収縮反応と細胞内Ca^<2+>動態 家兎瞳孔散大筋にはET_A-およびET_B-受容体が存在し、細胞内Ca^<2+>濃度の上昇はこれら両受容体を介して起こるのに対して収縮反応はET_A-受容体を介して起こることを示した。
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