研究課題/領域番号 |
07772232
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
巽 圭太 大阪大学, 医学部, 助手 (00222109)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | PIT1 / Pit-1 / GHF-1 / 下垂体 / TSH(甲状腺刺激ホルモン) / GH(成長ホルモン) / PRL(プロラクチン) |
研究概要 |
PIT1異常症でR271W変異はこれまでの症例解析からは正常遺伝子とのヘテロで発症し、機能解析からは阻害性変異であることが示されていた。ところが、われわれが発見したR271W変異の患者の家族検索の結果、R271W変異があるのに全く症状のない家族をみとめ、本変異の作用が優性阻害性効果だけでは説明できない場合があることが示された。そこで、R271W変異が優性阻害性変異になる、ならないを決める修飾因子が存在することが推定された。 今年度はその可能性としてゲノム刷込み現象を検討した。これはヒトの下垂体で検討するのは無理なので、動物モデルとしてPIT1遺伝子に異常のあるマウス変異体dwを用いた。dwのPIT1遺伝子は劣性のmissense変異であるため、下垂体より抽出したRNAよりRT-PCRで変異のある領域を増幅し、同時に一方のプライマーに塩基置換を導入して制限酵素で切断することにより正常とdwのmRNAとを区別できる系を確立した。これによりヘテロの個体において変異遺伝子と正常遺伝子の発現割合を比較できた。そこで、この変異をヘテロの持つ親と変異を持たない正常の親とを掛け合わせ、その子どもで変異遺伝子を持つものについて、下垂体における変異遺伝子と正常遺伝子の発現割合を調べ、父由来と母由来のPIT1遺伝子の発現割合を同定したところ、有為な差は認められず、この系統のマウスではゲノム刷込み現象がないことが明らかになった。 この結果、ゲノム刷込み現象が種、或いはマウスの系統を越えた普遍的なものではないことが明らかになったが、患者の家系においては見られる可能性は残り、他の未知の修飾因子と共に今後の検討課題として残された。
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