育児をストレスと感じている母親は、母性性を十分に発揮できない状況にあるため、そのストレスの状況を緩和しスムーズに育児を行うことができるように援助する看護介入の方法を開発する必要がある。今回乳児を持つ母親の育児ストレスを調査し、そのストレスに影響する要因を明らかにすることを目的に研究を行った。 調査は、下記に示す質問紙を同意が得られた3ヵ月〜11ヵ月の乳児を持つ母親に配布し(374名)、郵送法にて回収した(回収率46.5%)。調査内容は、1.対象の背景(母親の年齢・職業の有無・乳児の性別及び月齢・家族構成及び人数・各家族構成員の健康状態)、2.日本語版parenting Stress Index(PSI)101項目(育児に関するストレスの程度を測定)3.ソーシャルサポート36項目(サポート源別にサポート量を測定)である。 統計処理には、SPSS6.1J for the Macintoshを使用した。回収された回答のうちPSIの回答が、95%以上のものを分析に用いた(有効回答数 143)。 母親の年齢は21歳から36歳の間で平均28.7歳(SD:3.5)、有職者9.8%、初産であったもの69.2%であった。乳児の平均年齢は5.3ヵ月(SD:1.8)、男児70名・女児74名であった。また、本人あるいは夫の親と同居しているものは12名(8.4%)であった。 育児ストレスとソーシャルサポートとの関係では、夫・親や親戚・友人・隣人のサポートが得られていると認識しているほど育児ストレスは低く、特にこれらのサポートが得られていると親役割の機能を果たす上でのストレスは低くなっていた。その他、育児ストレスには初産/経産、母親の年齢、乳児の性別が影響していた。さらに、初産の母親の育児ストレスについて分析を行い、考察を深めている。
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