研究課題/領域番号 |
07772268
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
深野木 智子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80238443)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 尿失禁 / 在宅高齢者 / 介護 / アセスメント / 尺度開発 |
研究概要 |
1.目的 尿失禁のある在宅高齢者の尿失禁の状態、介護困難の内容から介護困難に関係する項目を示し、地域の在宅高齢者に適用できる尿失禁と介護アセスメント尺度を作製する。2.対象と方法 対象は杉並区内の全保健所及び保健相談所、厚生部からの訪問看護対象者538名中、尿失禁がみられかつ介護者がある209名(38.8%)(男性87名、女性122名)とした。方法は失禁の程度、介護困難他に関する聞き取り調査を、担当保健婦、看護婦に依頼した。3.結果及び考察 1.尿失禁の種類:切迫性尿失禁(以下:切迫群)72名(34.4%)、溢流性尿失禁(以下:溢流群)137名(65.6%)であった。2.平均年齢:切迫群は82.1歳、溢流群は81.8歳と両群に差はみられなかった。3.尿失禁のきっかけ:切迫群は「脳血管疾患」36.1%、「痴呆」27.8%、溢流群は「脳血管疾患」32.8%、「痴呆」28.5%の順で多く、両群に差はみられなかった。4.日常行動範囲:切迫群は「ランクB」40.3%、「ランクA」37.5%の順で多かったが、溢流群は「ランクC」47.4%、「ランクB」29.9%の順で多く、溢流群の方が日常生活行動範囲が狭い者が多かった。5.介護者:続柄は両群とも「配偶者」「子ども」の順で多かった。6.介護者の自覚症状:両群に共通して有意差がみられたのは「いらいら感」「動悸」であった。切迫群は「肩こり」「疲れやすい」が有意に高く、溢流群は「疲れが残る」が有意に高かった。7.介護困難項目:切迫群介護者の困難項目数は4つであったが、溢流群介護者の困難項目数は13で、「生活リズムが乱れる」「介護継続の困難感がある」「本人の精神症状への対応が困難」「入浴介護困難」などが高かった。また、「一日排尿回数」は多い方が、「発症後の期間」は短い方が、「発症時年齢」は低い方が各々介護困難の訴え率が高かった。4.結論 在宅高齢者の尿失禁と介護アセスメントには、尿失禁の種類ときっかけ、日常行動範囲、発症時年齢、排尿回数、介護者症状、介護と負担感とその具体的内容を含む必要性が示唆されながらさらに尺度化のために検討する必要がある。
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