高校生男子長距離ランナーを対象としSP-OBLAの概念を導入したトレーニング処方と食事を中心とした栄養処方を併用する競技力向上プログラムの効果を検討した。 1、グランド走によるSP-OBLAの測定とトレーニング処方作成 3000mまたは5000m走行スピードとSP-OBLAの間に有意な正の相関関係があったことから、選手の競技力評価の指標としてSP-OBLAの有効性が確認でき、インターバルトレーニングやロングスローディスタンストレーニングを行う際の走行スピードにSP-OBLAの概念を導入することができた。 2、食事調査、栄養処方とその評価 厚生省による栄養所要量を基準にした栄養摂取状況は、トレーニングのエネルギー源となるエネルギー摂取量、からだ・筋肉づくりの基となる蛋白質摂取量が不足している傾向が伺われた。また、各食事の内容と摂取タイミングの観点からみると、トレーニング前にとる昼食での脂質や糖質などのエネルギー源摂取不足、からだ・筋肉づくりに必要な夕食での蛋白質摂取量不足が問題点として上げられた。 以上の結果に基づき、SP-OBLAを指標としたトレーニング処方と栄養処方の併用によるトレーニングプログラムを継続しており、SP-OBLAの上昇や食事の内容や摂取タイミングの改善がみられ、競技力向上に向けての効果が得られている。
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