研究概要 |
(1)研究課題に関する学会論文発表3件,学術講演1件,学会口頭発表2件の合計6件の発表を行った。特に,日本教育心理学会第37回総会で,研究代表者は座長に任命され,研究課題に関連のあるセクションで任務を果たした。また,同時に本研究課題に関し,フロアから多くの関心が寄せられた。 (2)松下電器産業(株)マルチメディア開発センター音響グループ及び光ディスク事業部の研究者から,呈示する音声刺激の作成について研究協力が得られた。 (3)申請時点では,ミニディスクにより実験音源を作成する予定であったが,このメディアには音声圧縮技術が用いられており,聴感覚上はあまり問題はないと考えられてはいるが,聴覚が検知できるのは顕在意識上での判断であり,潜在意識下ではまだ未解明で,例えばα波の出力が変わる可能性等が否定できないため,現有のDATを刺激作成に使用した。 (4)仮説「英語の多音節語の聴取精度は,第一音節の聴取精度に依存する」については,現有の設備を使用して作成した刺激を用いた実験からは,この仮説を支持するデータが得られている。しかし,英語の第一音節のセグメントをより正確に強調処理(増幅,時間軸伸長など)を行うためには,コンピューターと連動させたテキストジェネレーターを使用することが必要であることがわかった。この機器を入手して研究を進展させることで,より精度の高い実験刺激を作成して実験を行い,研究成果をAssociation Internationale de Linguistique Appliquee(AILA)等の国際学会等で発表することを計画している。
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