研究概要 |
[1]発音の調査票を作成した。調査票は子音,母音,長音,促音,撥音の大項目を立て,外国人学習者に一般に難しいと言われている単語を選び,作成した。 [2]文字習得のテストを作成した。以下の3つのタイプを作成した。(1)絵を見て単語をひらがなで書くもの(2)調査者が単語を読み上げて表記するもの(3)動詞の変化形のパラダイムに穴埋めさせるもの [3]単音知覚は「ッ」と「ス」,「ズ」と「ジュ」など,母語別によっては弁別が困難と予想されているものを母語別に準備した。 [4]以上の調査を東北地区の在住の留学生の子女を対象に実施した。母語はスペイン語,モンゴル語,韓国語,中国語である。 [5]調査結果のデータは現在分析中であるが、概略以下のような傾向が認められた。(1)年齢が低いほど,日本人児童を変わらない流暢な日本語の発音を短期間に習得する。(2)小学校の教師が標準語に近い発音で話していても,外国人児童は方言の音声特徴を習得する。(3)動詞の変化形においける促音や長音の表記には混乱が認められる。(4)単音知覚では母語の干渉による混乱は顕著には認められなかった。
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