研究課題/領域番号 |
07780233
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計算機科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
猪原 茂和 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30251391)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 分散共有メモリ / トランザクション / 永続オブジェクト / 一貫性制御プロトコル / 仮想記憶 / オペレーティングシステム / 分散並列処理 / データベース |
研究概要 |
コンピュータの誕生以来、データベースとトランザクション処理は実社会におけるコンピュータの主要な応用であり続けており、高性能かつ高機能なデータベース、トランザクション処理の要求は現在非常に高い。永続オブジェクト管理システムは、高い表現力を持つオブジェクト指向データベースを実現するための基盤ソフトウェアである。本研究では、高性能な永続オブジェクト管理システムを実現するための方法として分散共有メモリに注目し、永続オブジェクト管理システムを分散共有メモリ上で実現するための技術を開発した。 本奨励研究では、とくに以下の問題を解決した。 (1)分散共有メモリ上でデータベースのバ-ジョン化を効率的に行なうためには、オペレーティングシステムカーネルとトランザクション機構との密な協調動作が必要にとなった。特に、copy-on-writeを中心とする仮想記憶機構を用いた最適化技術を最大限に利用するためには、カーネルとトランザクション機構のインターフェイスを、データベースのバ-ジョン化に適した形で拡張した。 (2)分散環境上で、シリアライザビリティを保証する並行性制御を行なうためには、何らかの意味で全ホストが同意するクロックが必要となった。もちろんセントラルサーバを用いればこのクロックを実現することができるが、大規模並列システムでこのサーバがボトルネックとなることは明らかである。このため、トランザクションのために必要な通信と同時にホスト間のクロックの同期をおこなう技術を開発した。 (3)分散トランザクションにおいては、並行性制御と並んで障害対策が重要な課題となる。障害対策を、できる限り少ないメッセージ数でおこなうために、障害対策と並行性制御を統一した形で開発した。
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