本研究では、4年制大学工学部計算機科学/工学科の3年次または4年次の学生に対して、OS設計能力を養う教育システムの開発を目的に、OS設計に関する視点と手法を体系化し、それを教授するためのカリキュラムの開発とカリキュラムを支援するための計算機環境を構築した。 特に、本年度は、学習者の所有するパーソナル計算機は多様化しているため、より多くの機種で利用可能なOSおよび学習環境の稼動と、学習者の作成したOSのテスト・デバッグ環境を行う環境を中心に研究を進めた。 具体的には、申請したDOS/Vパーソナル計算機上にμカーネルと開発環境を移植し、教育環境と利用できるようにした。また、既に実現されているOSデバッグ環境「忍」上で、教育用のOS実行の可視化とデバッグ環境を実現した。これらの環境を4年生卒業研究に利用した。 本年度の研究成果として、多様な計算機上での教育環境の提供が可能となったこと、教育に際してOSの内部動作の可視化は有効であると同時に、今後は重要な課題であることが明らかになった。
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