研究概要 |
配列データの手続き間解析の実現と評価 Fortran言語における手続きや関数の呼び出しをまたがるような、プログラム全体に渡る大域的なデータフロー解析方式を考案し、実現した。これは、プログラムの制御フローに従って、配列のアクセス領域を集約・展開し領域解析を行うもので、科学技術計算のベンチマークプログラムにおいてその有効性を確認した。また、この手法では解析できない主な要因が、動的に決まる添え字、別名定義、条件分岐、の3つであることを明らかにした。(→情報処理学会論文誌Vol.36,No.8,pp.1996-2006) 条件分岐について並列性を解析するためには、本方式を条件付き領域解析に拡張することを検討し、実現方式を明らかにした。 並設プログラミング環境の検討 静的な解析情報を補うために動的な情報を必要であるが、その実現のためには統合的なプログラミング環境が必要となる。システムとして保持するべき情報、プログラムの更新やデータの更新に合わせて廃棄すべき情報、などの分類、データ間の関連付けなどの検討をおこなった。データベースを中心とする並列プログラミング環境構築の第一歩である。 言語処理系の最適化の検討 新しい言語であるFortran90の配列記述のコード生成の問題点を示し、その最適化手法を明らかにし、効果を示した。(→電子情報通信学会論文誌D-I,Vol.78,No.5,pp.504-506)
|