研究概要 |
今回の研究を進めるにあたり,以下のことを行った. 1.いくつかの県の行政,医師会,医療機関,消防本部,救急医療センター,救急医療情報システム設計開発会社,大学等を訪問し,ヒアリング調査,情報収集および意見交換を行った. 2.住民利用者および救急医療情報システム未参加の県・医師会・消防本部に対し,救急医療情報システム関するアンケート調査・分析を行った. 3.学会,シンポジウム,研究会等に出席し,意見交換および情報交換を行った. 4.文献・論文等を調査・検索することにより,さらにシステムの評価方法等について分析・研究を行った. 5.以上の結果を踏まえ,国際会議で報告すると共に,学報にまとめた. 今回の研究により,救急医療情報システムの評価がテクノロジー・アセスメントという評価技法を用いても,いかに複雑で困難かが明確になった.その理由として,医療が社会システムであり,その評価項目・方法が評価主体により様々である点,そのために救急医療活動(救急医療システム自体)の評価の困難性から生じる情報システムの有効性の評価の困難性,救急医療情報システムの影響範囲の不明確性等があげられる.これを解決するには,まず,医療活動(医療システム)自体の適切な評価が必要であると言えよう. 今回の研究では,アンケート調査およびヒアリング調査から,救急医療情報システムの評価主体別に評価項目をあげ,ある県の救急医療情報システムをケース・スタディとして取り上げ,テクノロジー・アセスメントを行った.しかし,評価のいくつかが主観的な判断で行ったため,今後,さらに研究を進めていく必要がある.
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