本研究では、道路ネットワーク、鉄道ネットワーク、自動車交通、バス交通などの既存が新交通システムを含んだ総合交通システムに及ぼす影響を検討し、影響を考慮した新交通システムモデルを構築し、さらに経済性評価モデルを構築した。また、開発したモデルを用いて、地方中核市を対象とした事例分析を行った。平成7年度に得られた成果は以下の通りである。 1.全国の新交通システムの導入実績および導入計画・構想を調査・分析した。さらに、従来の新交通システムの需要予測モデルを調査・分析し、整理した。 2.道路ネットワークが新交通システムに及ぼす影響、自動車交通およびバス交通が新交通システムに及ぼす影響を検討し、さらに全体の相互関係を検討した。 3.新交通ルートの選定基準、ゾーンバス化による交通ネットワークの整備および将来人口の移動などを考慮した新交通システム需要モデルを構築した。 4.3の需要モデルに用いた経済性評価モデルを構築した。 5.3および4のモデルを用いて、141ODペアを持つ地方中核市を対象とした事例分析を行った。分析結果より、事例モデルにおいては、ゾーンバス化を行うことによって、現在運用されている大都市における事例よりも利用者数が多くなりうることが示され、新交通システムのルート選定、各種ネットワークの整備によっては採算性があることが示された。
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