研究課題/領域番号 |
07780401
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
自然災害科学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
横井 俊明 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (50231684)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | サイト特性 / 地形効果 / 上下動 / 三成分観測 / 境界要素法 / 不規則成層構造 / 漸化式 |
研究概要 |
昨年度の観測態勢を整備して秋田大学鉱山学部付属鉱業博物館敷地内及びその周辺(手形山において、三成分多点同時観測を実施している。昨年1月の兵庫県南部地震の事後調査等のため、昨年夏には観測用の地震計及び記録系一式を神戸市内に運んでいたので手形山での観測を再開したのは十二月になってからである。今回は敷地内西端の高さ約10mの法面最上部に観測点を設置して、よりはっきりした地形効果の観測を目指している。現在までに、福島県沖の地震(2/17)とその余震、イリアンジャヤ北岸の地震(2/17)、岩手県沖の地震(2/19)、山梨県東部の地震(3/6)の余震等を記録した。これから春まではこのまま観測を続ける予定である。春の草刈りの時期には一時中断して器材の補修を行う予定である。 数値計算においては昨年開発した両端の開いた不規則成層構造の計算を可能にする、境界面の打ち切りの影響を水平成層構造の解を使って削除する境界積分方程式を、伝達行列の漸化式を利用して解く方法を、点震源(point force,point dislocation)に対しても適用できるように改良した。もちろん、原理的には平面波入力に対する解の波数積分であるが、各波数成分の解を伝達行列の漸化式によってそれぞれ求めてから足し合わせるのではなく、先に水平成層構造の解に対応する各境界面での分布力を空間領域で求めておいてそれを伝達行列の漸化式の中に既知項として組み込む手法を採用しているので、計算時間は大幅に短縮される。この開放は単に境界面の打ち切りの影響を除去する方法ではなく、水平成層構造の解として与えられる外部場を、不規則成層構造部の波動場(内部場)へ接続する方法として考えられることができる。現在は、外部場を求めるのにKennetの反射透過行列による解法を、波数積分にはBouchon and Akiの離散化波数法を用いているが、両者ともどんな近似解法であっても構わず、これまで地震学で培われてきた各種の近似解法を自由に取り組む事が可能である。三次元の計算は、やはり計算量が膨大であり、秋田大学情報処理センターの計算機では処理能力の限界を越えている。一時は他大学の並列計算機の利用を試みたが、codingが並列計算用になっていないため単CPUの計算と変わらない。今後は並列計算機の使用を念頭においたプログラム開発を目指す予定である。
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