研究課題/領域番号 |
07780429
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長崎 晋也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20240723)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ネプツニウム / 硝酸 / 亜硝酸 / 酸化 / CMPO |
研究概要 |
高レベル放射性廃液中に含まれるアクチニド元素の中で、特に放射線的毒性の観点から重要なネプツニウム(Np)について新抽出剤CMPOを用いて精密分離を行った。Npは通常の高レベル放射性廃液中においては5価が安定であるが、CMPOを用いた場合であっても5価の分離効率は低い。そこで5価のNpを6価に酸化されることで精密分離の高度化を図った。酸化剤としては、Np自体がその中に存在する硝酸を利用した。硝酸はそれ自体の分解生成物である亜硝酸と共存することで亜硝酸を触媒としてNp(V)の酸化剤として機能する。Np(V)-硝酸-亜硝酸溶液(水相)を0.2M CMPO-1.4M TBP-nドデカン(有機相)と接触させることで,水相中での酸化反応と有機相への抽出を同時に進行させることで抽出反応の促進を図った。実験の結果、Np(V)は水相中でNp(VI)へ酸化されてから有機相中へ抽出されるよりも、Np(V)のまま有機相中へ抽出された後、有機相中でNp(VI)へ酸化されるメカニズムが支配的である可能性が示唆された。有機相中での酸化反応を1次反応と仮定し、酸化速度定数を評価した。さらに、評価した速度定数と文献からの引用したNp(V)とNp(VI)の抽出分配比を用いて、研究系での抽出体系における抽出反応モデルを考案しその抽出効率を計算した。その結果、有機相中での酸化反応が支配的であることを確認した。本研究の結果は、高レベル放射性廃液からのNpの効率的な精密分離プロセスを構築する上での重要な知見を与えている。
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