研究課題/領域番号 |
07780442
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
葉 民友 名古屋大学, 工学部, 助手 (10270985)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | タイバータプラズマと固体表面相互作用 / 高熱流束プラズマ / タングステン板 / 熱電子放出 / シース電圧の低下 / 物理スパッタリングな抑制 / 分岐理論 / 固体表面の微細構造の変化 |
研究概要 |
NAGDIS-Iにおいて高温ターゲット板からの熱電子放出を考慮した研究が行われた。高熱流束プラズマ下においてLAB_6で数値解析及び実験の結果より、非線形系における典型的な分岐現象(Bifurcation)が得られている。この分岐現象は高熱流束プラズマと高温材料表面間の相互作用に関する重要な働きを果たすであろう。この現象はプラズマの挙動、シースの特性、そして材料表面の高温輝点の形成及び成長に影響を及ぼしている。以上の研究内容を論文にまとめた。(11.発表内容欄参照)。 さらに分岐理論および実験両面において、ITERにおけるダイバータターゲット板候補とされている高温タングステン板の熱電子放出特性をNAGDIS-Iで研究している。数値計算は実験に合わせて各パラメータを設定した。静的特性の計算の結果、プラズマの密度の関数としてタングステンのターゲット板温度、シース電圧、そして電子温度は分岐現象を示すことが分かった。そして、ダイバータターゲット板が熱電子放出に十分な温度まで加熱されたとき、ターゲット板の状態は低温状態から高温状態へと遷移し、同時にシース電圧及び電子温度は急激に低下する。実験的にも、プラズマ流により十分に加熱さられたターゲット板ではシース電圧の低下が確認された。実験の結果、タングステン板(厚さ0.1mm)が熱電子放出に十分な温度(2600K)まで加熱されたとき、ターゲット板の浮遊電圧は69Vから42Vまで急激に減少し、低温状態(2600K)から高温状態(3200K)への状態遷移を起こすことがすでに観測されている。この結果よりスパッタリングによる不純物発生の劇的な抑制が期待できる。また、固体表面の微細構造の変化に対するイオン種の依存性を観察した。 本研究では、高温タングステン板の電子放出によるスパッタリング制御を中心に分岐理論の構築、タングステン製熱電子放出ダイバータ板の概念の実験的検証を行った。この研究内容を12th International Conference on Plasma Surface Interactions in Controlled Fusion Devices(磁場閉じこめ核融合装置におけるプラズマと材料の相互作用に関する国際会議)に発表します。
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