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炭素・窒素安定同位体比による海洋粒子物質の形態変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07780457
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 環境動態解析
研究機関国立環境研究所

研究代表者

原田 茂樹  国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 研究員 (30238183)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード沈降粒子 / C / N比 / 炭素同位体比 / 炭素循環 / 分解 / 細菌
研究概要

1.概要:海洋粒子物質は沈降過程を通じ,海洋表層から下層へと物質を移送する役割を担っている。したがって,沈降過程での粒子の形態変化を明らかにすることは,海洋物質循環の機構解明において必須である。本研究では,沈降粒子中の現存量,同位体比等の解析により,粒子が沈降過程で活発に分解され溶存有機体炭素へと移行すること,分解された炭素が細菌生産により速やかに粒子へと再変換されることを示した。2.方法:瀬戸内海家島海域において夏期に約2週間にわたり形成した隔離実験生態系(直径5m,深さ18mの円筒形水塊)の表層に炭素安定同位体トレーサー(炭酸水素ナトリウム態)を添加した。水深5,10,15mの地点に設置したセディメントトラップ中の沈降粒子を捕集し,炭素安定同位体比,炭素量,窒素量,炭素/窒素比(C/N比),色素等を計測した。3.結果:炭素安定同位体比は深度方向に急速に現象した。5mの同位体比に対し,10mの同位体比は66%,15mのものは44%に過ぎず,5-10m間に粒子の34%が,そして5-15m間に56%が分解されたことを示した。同様に,粒子中の炭素量,窒素量は,共に深さ方向に減少した。しかしC/N比は増大しており,炭素よりも窒素の方がより速く分解されたことを示した。炭素量の減少から見積もった見かけの粒子分解量は5-10m間に13%,5-15mではほぼ0%となり,同位体比変化による計算値よりも小さかった。その差は沈降過程での粒子の再生産と考えられ(同位体は表層にのみ存在し,炭素は下層にも存在したため),5-10m間で5m地点の粒子の21%,5-15mで44%に相当する粒子の生産があったと考えられる。5m以深では光の低減によりほとんど光合成が起こらないことが我々の従来の研究で明らかになっており,溶存有機物を利用した細菌生産の役割の高さが示唆された。粒子の分解と窒素安定同位体自然存在比の深さ方向の変化との関係を明らかにすることが今後の課題である。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S. Harada. M. Watanabe et al.: "Analyses of Planktonic ecosystem structure in coastal seas using a large scale stratified Mesocosa" Water Science and Technology. (in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] X. Wang, S.Harada et al.: "Modelling the bioconcentration of hydrophobic Organic Chemicals in Aguatic Organisms." Chemosphere. (in press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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