研究概要 |
本研究では土壌鉛直2次元断面中の流れを模擬できる実験装置を作成し,上端から模擬排水を供給,土壌層中へ散水管より有機物溶液を供給し,有機物溶液供給方法(散水管の間隔,溶液量,有機物濃度)が排水の窒素除去率に及ぼす影響について検討を加えた。その結果,土壌表面からの酸素拡散が脱窒を阻害すること,単位面積当の有機物溶液供給量が同じならば散水管間隔が短いほど効率が良いこと等が明らかとなった。本実験では透水性の高い土壌を用いたが,これは窒素除去上は良い選択ではないことが明らかとなった。また,数理モデルを作成し,土壌中での排水(浸透水)と有機物溶液との混合を解析することにより,脱窒効率をある程度予測できることが明らかとなった。本研究は水分不飽和の状態での検討であったが,今後実験においては飽和状態での溶液混合状態と脱窒率との関係の検討が,数理モデルでは流れの不均質性の影響の検討が課題となろう。
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