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環状モノテルペノイドの種特異的生合成における精密構造認識機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07780495
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生物有機科学
研究機関広島大学

研究代表者

平賀 良知  広島大学, 理学部, 助手 (10238347)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードリモネン / 生合成 / ゲラニル二リン酸 / リナリルカチオン中間体 / 緩和時間 / 立体制御機構 / 構造変化 / NMR
研究概要

ハッカおよびミカンのリモネン合成酵素は,ゲラニル二リン酸(GPP)を種特異的にそれぞれ(S)-リモネンおよび(R)-リモネンに変換する。種特異的な環状モノテルペノイド生合成における基質-酵素との精密構造認識機構の解明を計った。(1)リモネン合成酵素の活性化因子であるMn^<2+>が,GPPの二リン酸基に配位する際のGPP炭素鎖の構造変化を解明した。^1H,^<31>P NMRの緩和時間測定から,GPPの炭素鎖はMn^<2+>の配位によりendo型に折れ曲がっていた。一方,シトロネリル二リン酸およびデヒドロゲラニル二リン酸の二リン酸基にMn^<2+>が配位してもそれぞれの炭素鎖には構造変化がほとんど観測されなかった。従って,Mn^<2+>の配位によるGPPの構造変化は,配位したMn^<2+>と2位および6位の二重結合との相互作用によるものと考えられた。(2)ハッカとミカンのリモネン合成酵素を用いて,(S)-および(R)-[1-^2H]GPPから(S)-および(R)-リモネンを生合成した。それぞれの酵素により生成したリモネンの重水素標識位置から,GPPの二リン酸基は,ハッカにおいてもミカンにおいても(2re,3si)両側に脱離していた。従って,種特異的立体化学を持つリモネンが生合成されるのは,GPPの二リン酸基の脱離によって種特異的なendo型のリナリルカチオン中間体が生成し,これが環化するためと考えられた。さらに,ファルネシル二リン酸(FPP)合成酵素に,[1-^<13>C]GPPとイソペンテニル二リン酸(IPP)を加え,^<13>C NMRを用いて酵素反応を追跡した。反応開始2時間後,δ164.5に新たなシグナルが観測された。このシグナルは,超強酸によるアリルカチオンの^<13>Cケミカルシフトおよび分子軌道計算から,非局在化したリナリルカチオンと同定した。これまでFPP生合成機構は,GPPから生成したカチオンとIPPの付加によりFPPが生合成すると提唱されていた。今回,この機構を初めて実証した。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] S. Ohta: "24-Epi-pterosterone: A Novel Phytoecdysone from Roots of Athyrium yokoscense" Phytochemistry. 41. 745-747 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] S. Ohta: "Rhopaloic Acid A: A Novel Norsesterterpene from a Marine Sponge, Rhopaloeides sp., Which Inhibits Gastrulation of Starfish Embryos" Tetrahedorn Letters. (in press). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] T. Suga: "Dynamic Aspects of Natural Products Chemistry --Molecular Biological Approaches--" K. Ogura and U. Sankawa (Ed.), Kodansha Scientific, 300 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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