研究課題/領域番号 |
07780553
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
小嶋 聡一 理化学研究所, 安全評価研究室, 研究員 (10202061)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ビタミンA / レチノイド / 血管内皮細胞 / 肝伊東細胞 / TGF-β / ミッドカイン / プラスミノゲン活性化因子 |
研究概要 |
今迄の研究成果に基づき、ビタミンAの生理活性発現にミッドカイン(MK)とTGF-βが、メディエーターとしてどの様に働いているのかを明らかにすることを目標として、 1.内皮細胞中に見い出されたtransglutaminase(TGase)による高分子MK複合体の生理的役割を調べ、MKが、内皮細胞の線溶活性亢進以外にもビタミンAによる内皮細胞の機能調節に関わっているのかどうかを調べ、TGF-βの作用と比較検討する。 2.肝臓の細胞におけるビタミンAによるTGF-β産生・活性化促進の分子メカニズムと、生成したTGF-βの生理的意義を明らかにする。また、肝臓の細胞においてもビタミンA処理によりMKが発現するかどうかを調る。 の2点について実験を行った結果、 1.MKは、TGaseにより高分子複合体、特にダイマーになることで、生理活性を発現するようになることがわかった。現在、複合体形成が、レセプターとの結合に必要なのか、それともシグナル伝達に必要なのかを調べている。 2.MKは、内皮細胞の増殖、遊走、には直接影響を与えないことがわかった。また、MKが、熱、および酸といった物理的処理に対して安定であり、神経突起伸長活性、および線溶促進活性を発現することを見い出した。 ビタミンAは、肝臓の伊東細胞の線溶活性を促進し、潜在型TGF-βの活性化を引き起こし、生成した活性型TGF-βは、自分自身の発現を高めるとともに、コラゲンの産生を高め、このような機構によって、ラットモデルにおいて肝線維化を顕著に増悪させることがわかった。今後は、明らかになった肝線維化の機構に基づき、肝線維化、肝硬変に対する薬の開発に取り組む予定である。
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