• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

粘菌の走化性における環境適応的パターン形成とその自己言及的情報構造

研究課題

研究課題/領域番号 07780583
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 生物物理学
研究機関金沢工業大学

研究代表者

三宅 美博  金沢工業大学, 工学部, 助教授 (20219752)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードパターン形成 / 拘束条件 / リズム / 相互引き込み / 粘菌 / 自己言及
研究概要

生命システムの形態は、環境変化に対して適応的に形成される必要がある。しかし従来の形態形成理論は、固定された拘束条件(境界条件)下での一定のパターン形成しか扱えないという本質的な問題点があった。そこで本研究課題では、真性粘菌の走化性をモデル系として、情報的に開かれたシステムにおける環境適応的なパターン形成の原理を明らかにすることを試みた。作業仮説としては、上記の実験的知見に基づき、自己組織系の拘束条件を自己創出できる「自己言及システム」としての情報構造を考えた。
具体的には、細胞内Ca2+リズムの相互引き込みを通して位相パターンを生成する自己組織系と、そのリズムの結合構造を規定する形態パターンとしての拘束条件の間での、相互関係の時間発展に注目した。そのため粘菌変形体に特徴的な扇型の形態パターンが発展的に形成されるプロセスにおいて、細胞内リズムの時空間ダイナミックスと形態パターンの間での経時的かつ循環的関係を画像処理的に計測した。特に、粘菌が環境からの刺激に基づいてその扇型のパターンを再構築するプロセスを観察した。
これらの結果を、細胞内リズムの相互引き込みによる位相パターン生成とそれらリズムの結合構造としての形態パターンの間での自己言及ダイナミックスとして解析した。これらによって、リズムの相互引き込みを通して生成するコヒーレント状態とそれに基づいて生成する拘束条件の間での自己言及ダイナミックスとしての環境適応的形態パターン生成のメカニズムが明らかにされた。特に、細胞内リズムの相互引き込みを通して環境依存的位相パターンが生成され、その位相関係が制御情報となり環境適応的に新たな形態パターンを生成し、それが新たな拘束条件として次の位相パターン形成に働きかける自己言及プロセスの存在が示された。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y. Miyake: "Envirorment-deperndent positional information field in chemotaxis of physanm plasmodium" J, Theor. Biol.(in Press).

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅: "位置情報「場」と生命的自律性" 数理科学. 34-4. 56-63 (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅: "人工生命は工学の新しいパラダイムになりうるか?" 人工生命研究の課題と展望に関するワークショップ記録(情報処理開発協会). 79-109 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅: "リズムの相互引き込みと創発的システム設計" 生物物理. 35. S184-S186 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅: "粘菌の走化性におけるコヒーレンス生成・崩壊サイクルと自己言及性" 生物物理. 35. S148- (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 三宅: "「場」指向インテリジェンス" 第5回インテリジェンスシステム講演論文集. 235-240 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

URL: 

公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi