研究課題/領域番号 |
07780584
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物物理学
|
研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
紙中 庄司 久留米大学, 医学部, 助手 (30211858)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 紫外共鳴ラマン / Optical Decoupling / 蛋白質構造解析 / 生体分子分光学 / 振動分光学 |
研究概要 |
はじめに、エキシマーレーザー励起色素レーザーとβ-BaB_2O_4で得られる220nmパルス光をOptical Decoupling用の励起光源とし、CW Ar^+イオンレーザーの第2高調波(244nm)をUVRR励起用プローブ光に使って実際にトリプトファン(Trp)水溶液のOptical Decoupling紫外共鳴ラマン(UVRR)スペクトルの測定をした。しかしプローブ励起光の強度が弱いためにS/Nが十分高いスペクトルを得ることはできなかった。そこで、プローブ光源にエキシマー励起色素レーザーとβ-BaB_2O_4で得られる244nmパルス光を使い、同様の測定を試みた。プローブ光がパルス光なので、Optical Decouplingが起きないように十分弱い光強度でプローブ光を試料に照射した。このとき、Optical Decoupling用ポンプ光にはNd;YAGレーザー3倍波を水素ガスに入射して得られるアンチ・ストークス2次の誘導ラマン光(223.1nm)を用いた。ポンプ光とプローブ光を完全に一致させることは使用レーザーの性格上不可能なために、光検出器はポンプ光に同期させてTrp基底分子のOptical Decouplingが起きている時間だけプローブ光照射による散乱光を検出した。 以上のような変更を加えて、Trp水溶液のOptical Decoupling UVRRスペクトルをポンプ光強度を変えて測定し、ポンプ光なしのUVRRスペクトルとの差をとった。その結果、予想された通りあるポンプ光強度を越えるとUVRRスペクトルの強度が減少し始めることが分かった。この結果から、TrpにおいてOptical Decouplingを実際に観測することができる事を初めて示すことができた。その強度減少の傾向は223.1nm励起でのUVRRスペクトル強度の飽和現象に似ていることも突き止め、今後その傾向を定量的に調べて行くことを考えている。また本研究では2台のレーザーの発振時期を1ns以内に納めることができないため、スペクトルのS/Nが当初考えていたよりもよくないことが明らかになった。そこで1台のNd;YAGレーザーを光源としてポンプ光とプローブ光を同時に発生させる方法に変更して、実験することにしている。
|