研究課題/領域番号 |
07780589
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
木村 宏 北海道大学, 遺伝子実験施設, 教務職員 (30241392)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | cell cycle / DNA replication / licensing factor / MCM3 / mouse / nuclear localization signal / P1 protein / phosphorylation |
研究概要 |
MCMタンパク質は、細胞周期のM期の終了時にクロマチンと結合し、S期にDNA複製の進行に伴ってクロマチンから遊離することで、DNA複製が一度の細胞周期で唯一度だけ起こるための調節に関与している。出芽酵母MCM3がS期に核から細胞質へ移動するのに対し、そのホモログであるマウスP1/MCM3タンパク質はクロマチンから遊離しても核に局在する。しかしながら、クロマチンと結合したタンパク質に比べて遊離したP1/MCM3は、高度にリン酸化を受けている。そこで、P1/MCM3のリン酸化部位とそのリン酸化酵素の同定を試みた。 大腸菌で作製したGST-P1/MCM3融合タンパク質を其質として、様々なリン酸化酵素を用いてリン酸化反応を行った。その結果、カゼインキナーゼ2(CKII)、DNA依存性プロテインキナーゼ(DNK-PK)、Cdc2/cyclin B、Cdc2/cyclin Aにより、P1/MCM3がリン酸化され、G1 cyclin/Cdkではリン酸化されなかった。今回、そのうちCKIIによるリン酸化部位は、bipartite型の核移行シグナルのスペーサー領域に存在することを突き止めた。実際、この部分のフォスフォペプチドマップはin vivoのリン酸化によるマップと一致しており、in vivoでもリン酸化されていると考えられた。そこで、そのリン酸化が核移行に影響を与えているかどうかを確かめるため、セリン及びスレオニンをアラニンに置換した変異体を作製し、トランスフェクションにより、その局在を観察した。その結果、変異体は核に局在し、核移行シグナル部分のCKIIによるリン酸化は、核への輸送に必要ではないということが明らかになった。また、DNA-PKによるリン酸化部位もP1/MCM3のC末端付近に存在することも明らかになり、そのリン酸化がクロマチンとの結合にどう影響するか興味が持たれる。
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