研究概要 |
報告者らによりクローニングされた2種類のニワトリシアル酸転移酵素(ST6GalNAcII及びST6GalNAcI)の塩基配列を基に、マウスホモログcDNAをクローニングした。更にこれらをプローブとしてコスミドライブラリーをスクリーニングし、両遺伝子のゲノムクローンを得た。 ST6GalNAcII遺伝子は、弱いmRNAの発現がほぼ全ての臓器で認められ、また精巣、乳腺では強いmRNAの発現が認められた。本遺伝子のゲノム構造を解析した結果、ST6GalNAcII遺伝子は8つのエクソンよりなる、ゲノムサイズ約25kbの遺伝子であることが明かとなった。本遺伝子のプロモーター領域には、SP1,AP-2,ATFの結合部位が存在した。ルシフェラーゼをレポーター遺伝子として用いたプロモーター解析の結果、本遺伝子は転写開始点上流200bp内に存在するSP1結合部位が転写活性に重要であることが明らかになった。またAP-2,ATF結合部位を含む領域は転写増強作用のあることが明らかになった。 ST6GalNAcI遺伝子は、非常に弱いmRNAの発現がほぼ全ての臓器で認められた。本遺伝子のゲノム構造を解析した結果、ST6GalNAcI遺伝子は8つのエクソンよりなる、ゲノムサイズ約12kbの遺伝子であることが明かとなった。興味深いことに、ST6GalNAcI及びST6GalNAcII両遺伝子のゲノム構造は非常に類似していた。本遺伝子のプロモーター領域には、Myc,Etsの結合部位が存在した。現在ヒト並びにニワトリ遺伝子のプロモーター領域のクローニングを終了し、ルシフェラーゼをレポーター遺伝子として用いたプロモーター解析を行っている。
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