研究課題/領域番号 |
07780665
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
秋山 孝洋 麻布大学, 環境保健学部, 助手 (90231836)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | キイロショウジョウバエ / Drosophila / 寿命 / 老化 / 遺伝 / P因子 / エンハンサートラップ法 |
研究概要 |
キイロショウジョウバエのエンハンサートラップ系統は、大腸菌のβ-gal遺伝子を含むトランスポゾンP因子がゲノムに1コピー挿入されているもので、染色体に挿入されたβ-gal遺伝子が近接の遺伝子の調節領域の支配を受けて、組織・時期特異的に発現する性質がある。ハエ組織を固定後β-galの基質と反応させて青色の反応生成物を検出することで、β-gal遺伝子挿入位置近隣の未知の遺伝子の発現時期と場所を間接的に知ることができる。またβ-gal遺伝子が遺伝子そのものの中に挿入された場合は、その遺伝子の挿入突然変異が生じる。このエンハンサートラップ系統を利用して、成虫の老化に伴って発現が変化するような未知遺伝子の単離・寿命突然変異体作成ができると考えられる。 常染色体上にβ-gal遺伝子が1コピー挿入されているエンハンサートラップ系統約300系統について、24時間以内の範囲で羽化した成虫を系統ごとに25℃で飼育しながら、死亡個体数を記録して生存率曲線を作成した。系統全体では平均寿命は61日、最大寿命は91日であった。最も短命なのは♯245系統で、平均寿命23日、最大寿命69日であった。最も長命なのは♯799系統で、平均寿命81日、最大寿命91日であった。平均寿命・最大寿命を縦・横軸として1系統を1点としてプロットしたグラフを作成し平均寿命についてみると、2系統を除く各系統の平均寿命は35日から81日までの範囲で連続した分布を示した。♯245系統(平均寿命23日、最大寿命69日)と♯525系統(平均寿命28日、最大寿命48日)はこの分布から不連続で、短い平均寿命を示した。これら2系統は、野生型より寿命の短い突然変異体の候補と考えられる。現在、未調査の系統の生存率曲線作成を継続するとともに、平均寿命の特に短い2系統・比較的長い3系統についてβ-gal遺伝子の発現時期と組織を調査している。
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