研究課題/領域番号 |
07780671
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
八木沼 洋行 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (90230193)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | プログラム細胞死 / アポトーシス / 運動神経 / ニワトリ / 発生 / 脊髄 |
研究概要 |
本研究では、孵卵4-5日のニワトリ胚頚髄におこる神経細胞死の発生機序について細胞レベルや分子レベルで解明するために以下の3つの目標に向かって並行して研究を進めた。 (1)細胞死と細胞分化や細胞周期との関係を明らかにすること。 ^3Hチミジンを用いたオートラジオグラフィー法やBrdUを用いた免疫組織化学法を用いて細胞死を起こしている細胞、細胞死を起こさないで生き残る細胞の最終分裂の時期を調べたところ、細胞死を起こす細胞はおおむね孵卵2.5から3.5日の間に最終分裂を終えているのにたいして、細胞死を起こさない細胞は孵卵2.5から4.5日の間に最終分裂を行っていることが明らかとなり、最終分裂の時期が細胞死を起こす細胞の決定に関与している可能性が示唆された。また、細胞死を起こす細胞は、S期を離れて少なくとも12時間以上経った細胞であることが明らかになった。 (2)細胞死に関与すると思われる細胞死関連分子の発現 細胞死関連分子の発現を免疫組織化学法を用いて調べた。細胞死関連抗原とされるapogenとengulfenの発現を調べたところ、頚髄における細胞死においてもその発現が見られ、頚髄における細胞死でも他の部位に起る細胞死において見られる分子と共通の分子の発現があることが確認された。また、細胞死を起こす分子として知られるインターロイキン1β転換酵素(ICE)の阻害剤を用いた実験を行ったところ、頚髄の細胞死は抑制されなかった。これに対して腰髄において孵卵6-10日に起る細胞死はICE阻害剤によって抑制された。この結果は頚髄の細胞死と腰髄の細胞死とでは細胞内機序に違いがある可能性を示唆している。 (3)外植体を用いた器官培養系の確立 細胞死の開始直前のニワトリ胚の頚部をやく300μm程度の切片にして、コラーゲンゲル中で培養し、12から24時間後に切片を固定し組織学的な検討を加えた。この結果、外植体中では、顕著な細胞死が起らなかった。しかしながら、培養条件下での細胞の代謝などの評価はまだ行っておらず、この結果の解釈は今後の課題となっている。
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