研究課題/領域番号 |
07780682
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
島田 昌一 大阪大学, 医学部, 助教授 (20216063)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ミオイノシトールトランスポーター / 浸透圧調節 / オスモライト |
研究概要 |
浸透圧調整に密接に関与するミオイノシトールトランスポーターのmRNAの分布を神経系において検討したところ、脳では脈絡叢で最も強い発現を認め、またほとんどの神経細胞やグリア細胞においても中等度から弱い発現が認められた。内耳ではラセン靱帯で非常に強い発現を認め、眼では網膜の内果粒層や神経節細胞層、毛様体やレンズ上皮にミオイノシトールトランスポーターの発現が認められた。さらに腹腔内に1.5M NaCl(1ml/100g)を注入し、急性に血清の浸透圧を上昇させた動物を用いてin situハイブリダイゼーション法やノーザンブロット法により検討したところ、脳内では視床下部室旁核、海馬錐体細胞、小脳顆粒細胞などでミオイノシトールトランスポーターの遺伝子発現の急速な上昇を認めた。また、眼においても同様の浸透圧変化によるミオイノシトールトランスポーターのmRNAの増加を観察した。さらに、このmRNAの発現上昇は一時的なもので、約1.5時間後にピークに達し、3〜5時間後にはほぼ正常の状態にまで下降した。この素早い遺伝子発現調節は血清浸透圧変化と時間的にほとんど同調するものであった。浸透圧負荷が最もかかる腎臓においても、同様の検討を行ったがミオイノシトールトランスポーターの遺伝子発現変化は神経系と比べるとやや遅く、5時間をピークとするものであった。次に、他のオスモライトトランスポーターであるベタイントランスポーター、タウリントランスポーター、グルタミン酸トランスポーター等について同様の検討を行ったが、網膜においてタウリントランスポーターの浸透圧負荷に対する遺伝子発現変化を認めるのみで、他のトランスポーターについてはほとんど変化が認められなかった。また、浸透圧変化時の転写調節と密接な関わりを有するMAPキナーゼ系のSAPKのγサブタイプのmRNAは、脳内の海馬や小脳顆粒細胞などミオイノシトールトランスポーター発現が急速に変化する部位に一致して、発現していた。以上の結果から複雑な細胞構築を示す神経系においてはオスモライトトランスポーターの中でもミオイノシトールトランスポーターが浸透圧調整に関して最も重要な役割を果たしており、またこのトランスポーター遺伝子は神経系において特殊な早い転写調節を受けていると考えられた。
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