研究課題/領域番号 |
07780683
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
太田 訓正 熊本大学, 医学部, 助手 (90244128)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 運動ニューロン / チロシンキナーゼ / c-ret |
研究概要 |
生体内において細胞の増殖、分化、決定など重要な役割を担っているチロシンキナーゼ(TK)に注目し、運動ニューロンの初期発生に関与するTKの検索を行った。TK細胞内のキナーゼドメインは良く保存されているので、この領域に対するプライマーと運動ニューロンを特異的に認識するモノクローナル抗体SC1を用いたパンニング法により、精製された運動ニューロンを用いてRT-PCR法を行なった。様々な種類のTKの中から運動ニューロンに特異的に発現しているレセプター型TK(c-ret)が得られた。 c-retのリガンドが未だ同定されていないため、直接的にc-retを介した情報伝達の運動ニューロン生存への関与を調べることは不可能である。そこで、座骨神経切断後の脊髄、切断近位部および遠位部のシュワン細胞におけるc-retの発現変化をTrkファミリーおよび低親和性NGFレセプター(LNGFR)の発現変化と比較検討した。脊髄では、c-retの発現は除神経後1日で増加し、その後8日まで徐々に減少し、14日で再度増加した。座骨神経では、切断遠位部でc-retの発現は除神経後3日より増加が見られ、LNGFRの発現の変化と類似していた。除神経後に切断遠位部で誘導されるLNGFRは、筋肉で産生された栄養因子を効率よく切断遠位部のシュワン細胞が捕捉し、再生を促進するのに役だっていると考えられている。これらのことより、c-retがLNGFRと同様の機構で除神経後の再生に関与し、そのリガンドが運動ニューロン栄養因子である可能性が示唆された。
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