研究課題/領域番号 |
07780697
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
市村 徹 新潟大学, 理学部, 助手 (50213012)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 14‐3‐3タンパク質 / トリプトファン水酸化酵素 / カルモジュリンキナーゼ / シグナル伝達 / 蛋白質リン酸化 / ドメイン構造 / 組み換え体 |
研究概要 |
14‐3‐3タンパク質(以下14‐3‐3)は、細胞のシグナル伝達系、とりわけ蛋白質キナーゼを介した情報伝達経路に深くかかわっていることが知られている。しかしながら、14‐3‐3の一次構造の内、どの領域(どのドメイン)がその機能に重要であるのか、ほとんど知られていない。また14‐3‐3のシグナル伝達系での役割は独立したものなのか、或いは細胞内では互いにクロストークし合っているのか、さらには今日知られていない機能が存在するのか等、依然多くの点が明らかにされていない。そこで本研究では(1)一部のアミノ酸配列を欠損或いは変異させた組換え型14‐3‐3を用いて、14‐3‐3の構造の内、どの領域がその機能に重要であるのかを決定する、(2)14‐3‐3の脳神経系での標的蛋白質を検出し、それらを機能別に整理することを目的に研究を行った。(1)の研究では、大腸菌で発現した14‐3‐3が天然の14‐3‐3と同様のトリプトファン水酸化酵素(以下TPH)活性化能を有することを示した後、この組換え型蛋白質を用いて14‐3‐3分子内の機能領域(boxIと命名;約40アミノ酸から成る)を同定、boxIがTPHに対する結合部位であることを報告した。また、この領域は、Raf‐1などとも結合する14‐3‐3に本質的な機能単位であることを推定した(結果の一部はJ.Biol.Chem.に報告)。また、(2)の実験では、組換え型14‐3‐3を不溶化したゲルを調製し、これを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、ラット脳抽出液中の14‐3‐3結合蛋白質の分離を試みた。その結果、ラット脳抽出液中の蛋白質で14‐3‐3ゲルに結合してくる脳蛋白質が、TPH以外に少なくとも30種類存在していることが分かった。現在、反応スケールを大きくすることで、これらの蛋白質を実際に分離し、既知蛋白質か、未知蛋白質かを解析している。今後は、これらの標的蛋白質を総合的に解析し、14‐3‐3のシグナル伝達系での役割を整理していきたいと考えている。
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