研究課題/領域番号 |
07780769
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柳 健一 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70239797)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ハイブリッド型人工肝臓 / 肝細胞 / 高密度培養 / polyvinyl formal樹脂 / 充填層型バイオリアクター / ラット / アルブミン |
研究概要 |
【緒論】現在肝移植が唯一の救命手段となっている重症の肝不全に対する治療の切り札として、装置内に生体の肝組織を組み込んだ、ハイブリッド型人工肝臓の開発が活発になされている。ハイフリッド型人工肝臓の開発のためには、肝細胞の高密度大量培養法の開発がその鍵となるが、研究代表者は多孔質の樹脂である、polyvinyl formal(PVF)樹脂多孔質体を用いる肝細胞の高密度培養法について報告してきた。本研究では、PVF樹脂を担体とする充填層型リアクターを用いて肝細胞の連続培養を行い、アルブミン分泌能を評価した。 【実験方法】肝細胞はWistar系雄性ラットからコラゲナーゼ灌流法にて遊離した。平均孔径250μmのPVF樹脂を2x2x2mmに細切して細胞固定化のための担体とした。担体500個をリアクター内に充填して充填層型リアクターとした。細胞播種後、9日間の灌流培養を行い、培地中のアルブミン濃度をELISA法により測定した。 【結果】培地に牛胎児血清を加えた群では、培養期間中、肝細胞のアルブミン分泌能は低下することなく、高いレベルを維持した。一方、血清を加えない培地を用いた群では、培養開始後、アルブミン分泌能は急速に低下し、9日後では開始直後の10%程度となった。培地にcpidermal growth factorを加えた群では、培養開始4日程度は血清添加群とほぼ同様のアルブミン分泌能を示したが、9日後では開始直後の20%程度まで低下した。 【結論】PVF樹脂を用いる充填層型リアクターにより、肝細胞のアルブミン分泌能を9日にわたって維持可能であった。長期間の肝細胞のアルブミン分泌能の維持には血清の添加を必要とした。
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